マン・マシーンの構造と快楽 一番目が一、二番目が二、三番目が三、四番 目が四、五番目が五、六番目が六、七番目が 七、八番目が八、九番目が九、一〇番目が一 〇、一一番目が一一、一二番目が一二。一か ら七へ移動。二から一へ移動。三から一〇へ 移動。四から三へ移動。五から四へ移動。六 から五へ移動。七から一一へ移動。八から二 へ移動。九から八へ移動。一〇から一二へ移 動。一一から六へ移動。一二から九へ移動。 一番目が二、二番目が八、三番目が四、四番 目が五、五番目が六、六番目が一一、七番目 が一、八番目が九、九番目が一二、一〇番目 が三、一一番目が七、一二番目が一〇。一か ら四へ移動。二から五へ移動。三から二へ移 動。四から八へ移動。五から九へ移動。六か ら一二へ移動。七から三へ移動。八から六へ 移動。九から一一へ移動。一〇から一へ移動。 一一から一〇へ移動。一二から七へ移動。一 番目が三、二番目が四、三番目が一、四番目 が二、五番目が八、六番目が九、七番目…… 一二の音列、あるいは文字列からなるテキス トを上記の順序で生成する際に、その順序が 決定された瞬間──光速より速い速度以上の 無時間のうち──に、現実空間に先だったマ ン・マシーンの仮想空間上では、オートマテ ィックな無限反復をするテキストが生成され る。この仮想空間上における立ち現れこそを、 純粋な「詩」的空間の開闢と呼びたい。純粋 な「詩」的空間は、かなりの遅れをもって、 物理的な抑圧のある世界へと、マン・マシー ンの実働で模倣されることとなる。無限反復 するテキストの生成から複製にいたるプロセ スの初期設定にある「順序」は、自己複製子 的な役割を担う、強力なアイデンティティで ある。私自身の「順序」へのフェティシズム は『資本論』におけるフェティシズムと似て、 人間解体にいたる暴力的なまでの衝動と快楽 に裏打ちされている。詩人は代替可能な機械 であり、反復し複製される韻律には、構造的 アイデンティティという想像力が迸っている。